スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
パンを食べる私に対して、モジモジとしながらユツィーがか細い声でそっとその言葉を紡いだ。
「あっあの!ルフィア様……!」
「どうかしたの?」
「その……これからも一緒に時間を過ごさせて貰ってもいい、ですか?」
その言葉に、ふわりと優しい気持ちが胸を撫でた。
ユツィーが焼いてくれた、この柔らかいふわふわパンみたいに、温かくてふわふわした気持ちが。
「昨日までの私は確かに感情はありませんでした。でもマスター以外の方で初めてお世話をさせて頂いて、上手く言い表せないんですけど、ルフィア様と一緒に居て、感じたことのない温かさを感じたんです」
「ユツィー……」
「確かにマスターの命令でお世話をしていますけど、私は私の意志でルフィア様のお傍に居たいって思うんです!」
キラキラとした目には私がしっかりと映っていて、瞳が一緒に居たいと訴えている。
その質問の答えは端から決まっていたから、私は大きく頷いて見せた。
「もちろんよ。それと、私はユツィーと友達になりたいって思ってたの。この生活がどうなるか分からなくて、不安が付き纏うのかなって、すごく怖かった。だけど、ユツィーが傍にいてくれるなら、ここでの生活も楽しくなりそうだもの!」
「友、達……」
「そうよ。友達!改めてこれからよろしくね、ユツィー」
ぱあっと明るくなるユツィーの表情を見ていると、こっちまでその気持ちが移ってしまう。