スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
大事に作ったものが勝手に改造されたとなると、怒るよね普通!
謝ってもユツィーを元に戻せる方法なんて、私には持ち合わせてないし、どうやってレイの怒りを沈めればいいのか分からないし。
狼狽える私には為す術もない。
「マスター、そのくらいにして下さい。ルフィア様が怯えています。魔法の事となると、すぐ熱くなる癖、どうにかしないといつか味方を失いますよ。寝不足の時なんか、特に酷いんですから」
そんな私とレイの間に滑り込むようにユツィーが入り、彼女の背中に守られるようにレイとの距離を取った。
「す、すまない……!」
慌てて私達からレイも距離を取って、口元を手で多いながら息を零した。
「ルフィア……これから時間、あるか?」
「え?」
「顔を見て安心したら、仮眠を取るつもりではいたんだ。ただ……こうも興奮した状態で寝れる気がしない。だから、俺に付き合ってほしい」
「いいけど、付き合うって何に?」
ユツィーの背中からレイの顔を覗くように見ると、先程までの剣幕はなくなっていた。