スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜


 知りもしない魔法なのに、なんだか違和感を感じる。


 その上耳障りな変な高い音も、鼓膜を揺さぶる。



「レイ、ちょっと気分悪いかも」


「……!すまない、直ぐに魔法陣から出てくれ」



 魔法陣から出れば、元通りの感覚に体がすぐに馴染む。


 一体、あの感覚はなんだったんだろう……。



「今の魔法は?」


「精霊との繋がりを結ぶ魔法だ。ただそう簡単に精霊達は姿を表してくれなさそうだ」


「精霊との繋がり?」


「ルフィアの精霊の呼び声には、精霊の声を聞くことが出来る力があると聞いていたから、その精霊を呼び寄せようと試みていたんだが……どうやら失敗に終わったな」


 明らかにガッカリとした表情を浮かべるレイを見て、私はもしかしてと彼の名前を呼ぶ。



「シュマ」



 師匠の前以外では絶対に呼ぶことのない、その名前を呼ぶ。







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