スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
師匠に何をされて、どんな風にからかわれるのかが想像が簡単に出来て、シュマを思わず捕まえようとするけれど、スルリと逃げられた。
なんでこんなに悪戯好きなのよ〜!もう!
「ルフィア……?」
必死こいて、シュマを黙らせようとしているとレイの呼び掛けに、しまったと体が固まる。
仮に精霊のことを信じていてくれたとしても、精霊の姿を見ることができないレイにとっては、私が一人で騒いでいるように映っているはずだ。
変な目で見られる……その覚悟をしていたけれど、レイの瞳は真っ直ぐだ。
「も、もしや……既に精霊と契約を交しているのか?」
「え、ええ……。その、ここにねシュマっていう私の相棒がいて――」
「そうか……!やはりそうなんだな!すごいぞルフィア!!」
思ってもみなかった喜びを示す言葉に反応の仕方が分からず、シュマと顔を見合わせた。
「契約している精霊がいたから魔法陣は発動しなかったのか!」
「レイ……?」
「っと、すまない。精霊の知恵を借りたくていた俺には、目の前に精霊がいると思うと、嬉しさが込み上げてきてしまった」
レイ自身が精霊の姿を見えているわけでもないのに、私が精霊が見えているということに疑いの目を向けるでもなく……彼はただ純粋に喜んでいる。
今までだったら、ヒソヒソと囁かれ苦しい思いをしてきたのに。