スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
「私のこと、その……変だと思わないの?」
「変?どこがだ」
「一人で喋ってるかもしれないとか思ったりしないの?」
「ルフィアが楽しそうに笑う笑顔に、嘘など感じたりはしない」
「っ……!」
「信頼できる相手がそこにいるんだろう?見てて分かる」
レイの本心はどこか優しくて、むず痒い。
じっと見つめられて思わず視線を逸らすと、手首を掴まれて懇願される。
「頼む……そのスキルの力を貸してほしい。精霊の声が聞こえない俺には――ルフィア、君が必要なんだ」
しっとりとしたその声に乗せられた自分の名前に、無性にも胸が高鳴った。
レイが求めてるのは私じゃなくて、スキルの力よ。
勘違い……しちゃダメ。
でもシュマと会話している所を見られたのに、それでも私を変わらずに見てくれていたことに、嬉しさが滲む。
赤くなる顔を隠しながら私は頷くと、レイは早速床に描かれた別の魔法陣へと、私の手を取って移動し始める。
その手からどうか私の上がった体温がバレませんように、そう願いながら私達は魔法陣の研究へと時間を費やしたのだった。