スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
でも、ここでの生活している上でレイが冷徹非道の王様って言う目で見られるのは嫌だ。
「大丈夫です。ルフィア様の隣にいるレイ様は、とても柔らかい印象になっているんです。無意識にそれが誰にでも向けられるようになれば合格です。普段通り、隣にいてくださればレイ様から食いついてきますよ」
食いついてくるって……一体何にだろう。
よく分からないけれど、それでレイのことを見る目が変わってくれるなら、やってみるしかない。
「こんなにぐっすり眠られるのも稀なので、ここは起こさずに僕は退散しますね。レイ様が起きるまで、ゆっくり寝かせてあげてください。ではルフィア様、頑張ってくださいね」
足音を立てずに再び部屋の外へと出ていったカイルさんを見送り、再びレイを見た。
ほんの少し眉間に寄ったしわを撫でると、穏やかな表情へと戻る。
この優しい人の優しさが皆にも伝わるように、こうして私はレイの印象改善計画を行うことになったのだった。