スキル〖魅了無効〗を獲得しましたが、甘い言葉に溺れたい〜溺愛?何それ、美味しいの?〜
バチリとレイと目が合って、その瞳に吸い込まれそうになる。
レイが私を抱き寄せたのだと分かった頃には、レイは私から距離を取った。
「レイ?」
不覚にも離れるのが惜しいと思ってしまった自分の意識を変えるために、彼の名前を呼ぶ。
抱きしめられた温もりにドキドキしている私に、レイは小難しそうな顔をしたかと思えば、瞳を輝かせた。
「――閃いた!新しい魔法の術式は、ああしよう」
「……えっと?」
「やっぱりルフィアといると、降ってくるように魔法の術式が頭に浮かぶな」
その言葉に、私は素直に喜んでいいの?
単純に私という存在が居るお陰で、新しい魔法の魔法陣の術式のヒントが降ってくる、そう言っているのだ。
傍にいさせろなんて……てっきりそう言う意味だとは思わな――って!何勝手に変に考えてるのよ私は!
私はこのへんてこりんなスキルの解消法を見つけるために、ここにやって来たのよ!
レイに何言われようが別にいいじゃない!