悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
そもそも、そんな理由だけで、自分が推しを堪能する時間を減らされたりしたら嫌だなぁ……そう思っていると、クラークが答えてくる。
「私もまだ、ミッシェル様のお姿は見ていません。こちらの方でも情報を色々と探って入るのですが、ほとんどの方がミッシェル様とはご交流がないため、あの方の悩みを憶測するのが難しいのが現状ですね」
とはいえ、と言って不意に彼が真面目に正面を見据えた。
「――ほとんど知られていない彼女の悩みを、知ることができるという喜びを、不謹慎にも感じている自分がいます」
「――それは同感です。そう感じてしまうたび、心の中で謝罪しています」
アメリアは、同じく真剣な表情で深く頷いた。
視線の先では、着飾った紳士淑女達が談笑する光景が広がっていた。高い天井のシャンデリアや装飾品だけでなく、会場内は参加者らの豪華な衣装もあって、きらきらと眩い。
「今のうちに、ミッシェル様をお探ししてみましょうか」
この賑やかさに紛れれば平気だろうと思って、アメリアは目を向けてそう提案してみた。
するとクラークが、視線を返してきて眼鏡をかけ直した。
「これから殿下とのダンスがあるでしょう。ダンスの時間は、すぐに来ますよ」
「でも、まだ時間はありますし――」
「私もまだ、ミッシェル様のお姿は見ていません。こちらの方でも情報を色々と探って入るのですが、ほとんどの方がミッシェル様とはご交流がないため、あの方の悩みを憶測するのが難しいのが現状ですね」
とはいえ、と言って不意に彼が真面目に正面を見据えた。
「――ほとんど知られていない彼女の悩みを、知ることができるという喜びを、不謹慎にも感じている自分がいます」
「――それは同感です。そう感じてしまうたび、心の中で謝罪しています」
アメリアは、同じく真剣な表情で深く頷いた。
視線の先では、着飾った紳士淑女達が談笑する光景が広がっていた。高い天井のシャンデリアや装飾品だけでなく、会場内は参加者らの豪華な衣装もあって、きらきらと眩い。
「今のうちに、ミッシェル様をお探ししてみましょうか」
この賑やかさに紛れれば平気だろうと思って、アメリアは目を向けてそう提案してみた。
するとクラークが、視線を返してきて眼鏡をかけ直した。
「これから殿下とのダンスがあるでしょう。ダンスの時間は、すぐに来ますよ」
「でも、まだ時間はありますし――」