悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
アメリアは、黙っていればきつさもある赤薔薇色の瞳を、素直そうな輝きを宿して見つめていた。目の前で、推理ショーが繰り広げられているみたいだ。
その様子を、クラークがじっと見つめる。
「お前、できる令嬢みたいな外見をして、その実、少しお馬鹿な性格だと言われたりしませんか?」
やや間を置いて、唐突にそんなことを言われた。アメリアは、ジョークを言いそうにもない性格をした彼の言葉に視線を逃がしてしまう。
……残念ながら、そう言ってくれる友達がいないのよね。
思い返すと、ゲーム開始の十五歳だった〝悪役令嬢アメリア〟には交友がなかった。そして婚約破棄がされる十六歳前まで、独りぼっちは続く。
「ほんと、ミッシェル様とクラーク様に会えて、良かった……!」
アメリアは、つい涙腺にきて感動を噛み締めた。同志、バンザイ、と思っている彼女を、クラークが不思議そうに見下ろしている。
「うっうっ、クラーク様、今度、同人本でも作りませんか」
「『どうじんぼん』が何かは分かりませんが、ご遠慮いたします」
「じゃあ、ミッシェル様について語り合う会」
「いいでしょう」
クラークが、一つ返事で即そう答えた。
「私も社交の用がありますから。あとで落ち合いましょう」
そう言われたアメリアは、いったん彼と分かれることにして、ダンスが終わったらとここで再び待ち合わせるのを約束した。
その様子を、クラークがじっと見つめる。
「お前、できる令嬢みたいな外見をして、その実、少しお馬鹿な性格だと言われたりしませんか?」
やや間を置いて、唐突にそんなことを言われた。アメリアは、ジョークを言いそうにもない性格をした彼の言葉に視線を逃がしてしまう。
……残念ながら、そう言ってくれる友達がいないのよね。
思い返すと、ゲーム開始の十五歳だった〝悪役令嬢アメリア〟には交友がなかった。そして婚約破棄がされる十六歳前まで、独りぼっちは続く。
「ほんと、ミッシェル様とクラーク様に会えて、良かった……!」
アメリアは、つい涙腺にきて感動を噛み締めた。同志、バンザイ、と思っている彼女を、クラークが不思議そうに見下ろしている。
「うっうっ、クラーク様、今度、同人本でも作りませんか」
「『どうじんぼん』が何かは分かりませんが、ご遠慮いたします」
「じゃあ、ミッシェル様について語り合う会」
「いいでしょう」
クラークが、一つ返事で即そう答えた。
「私も社交の用がありますから。あとで落ち合いましょう」
そう言われたアメリアは、いったん彼と分かれることにして、ダンスが終わったらとここで再び待ち合わせるのを約束した。