悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「はい。能力については全く申し分ない。ですから、現在は婚姻も可能なお体であるということを示せば、ひとまずのところ縁談の承認もクリアできるかと」
そうだとは知らなかった。ゲームでは詳細がなかったから、またまた知れた新事実を、アメリアは目を丸くして聞いていた。
そんなアメリアを、しばしヴァレンティーナがじっと見つめた。
「――あなた様は、そういった噂につられてミッシェル様にまずお近づきになったわけでもなく。ただ、純粋にあの方が好きなのですね」
言いながら、ヴァレンティーナの目がクラークへ向く。確認されていると察した彼が、眼鏡を指で押し上げつつ答える。
「ただただミッシェル様を尊敬されている、打算などできない娘ですよ」
褒められているのか貶されているのか、分からない。
そんなアメリアの考え事は、初めてちらりと友好的に笑った、ヴァレンティーナの言葉で終わりとなった。
「実は、あの方は療養中の間、まだ学院生だった兄上様に代わって宰相様に助言をされ、領地経営や政治に関わるいくつもの実績を残されているのです。まだ社交デビューをする前から、『才女ミッシェル』と社交界で知られていました」
「お仕事を手伝っていた、ということですか?」
そうだとは知らなかった。ゲームでは詳細がなかったから、またまた知れた新事実を、アメリアは目を丸くして聞いていた。
そんなアメリアを、しばしヴァレンティーナがじっと見つめた。
「――あなた様は、そういった噂につられてミッシェル様にまずお近づきになったわけでもなく。ただ、純粋にあの方が好きなのですね」
言いながら、ヴァレンティーナの目がクラークへ向く。確認されていると察した彼が、眼鏡を指で押し上げつつ答える。
「ただただミッシェル様を尊敬されている、打算などできない娘ですよ」
褒められているのか貶されているのか、分からない。
そんなアメリアの考え事は、初めてちらりと友好的に笑った、ヴァレンティーナの言葉で終わりとなった。
「実は、あの方は療養中の間、まだ学院生だった兄上様に代わって宰相様に助言をされ、領地経営や政治に関わるいくつもの実績を残されているのです。まだ社交デビューをする前から、『才女ミッシェル』と社交界で知られていました」
「お仕事を手伝っていた、ということですか?」