悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「ミッシェル様のこと、どうぞよろしくお願い致します」
ヴァレンティーナ達が、揃って頭を下げて見送った。アメリアは礼を告げて、クラークと共に特別サロンをあとにした。
「――と、いうことです」
アメリアが、公爵令嬢ヴァレンティーナからのアドバイスも含めて伝えると、ミッシェルは「なるほど」と考え込んだ。
ここは、昨日、彼女とティータイムを過ごした部屋だった。一晩じっくり考えてくれていたらしく、伝言を受け取った彼女はこうして二人を迎えてくれていた。
クラークと二人、椅子に腰かけているミッシェルの答えを緊張して待った。
長らく経ったのちに、小さな声がした。
「……私でも、できるのだろうか」
ぽつり、と、ミッシェルが自分のスカートへ言葉を落とした。
「ずっと、諦めていたことだった。でも、……ほんの少しでも望んで、今からでも自分の願いのために、努力してもいいのだろうか……?」
「いいんですよ。今からだって、全然頑張っていいんです。遅すぎることなんて、人生には何もないんです」
アメリアはミッシェルの前に膝をつくと、心細そうな彼女の手を包み込んだ。いつだったか、前世で誰かにそう言われた気がした。
「告白しましょう、ミッシェル様」
そう言って、しっかりと手を握りミッシェルと目を合わせる。
「大丈夫です。みんな応援してくれます」
「そう、だろうか……」
ヴァレンティーナ達が、揃って頭を下げて見送った。アメリアは礼を告げて、クラークと共に特別サロンをあとにした。
「――と、いうことです」
アメリアが、公爵令嬢ヴァレンティーナからのアドバイスも含めて伝えると、ミッシェルは「なるほど」と考え込んだ。
ここは、昨日、彼女とティータイムを過ごした部屋だった。一晩じっくり考えてくれていたらしく、伝言を受け取った彼女はこうして二人を迎えてくれていた。
クラークと二人、椅子に腰かけているミッシェルの答えを緊張して待った。
長らく経ったのちに、小さな声がした。
「……私でも、できるのだろうか」
ぽつり、と、ミッシェルが自分のスカートへ言葉を落とした。
「ずっと、諦めていたことだった。でも、……ほんの少しでも望んで、今からでも自分の願いのために、努力してもいいのだろうか……?」
「いいんですよ。今からだって、全然頑張っていいんです。遅すぎることなんて、人生には何もないんです」
アメリアはミッシェルの前に膝をつくと、心細そうな彼女の手を包み込んだ。いつだったか、前世で誰かにそう言われた気がした。
「告白しましょう、ミッシェル様」
そう言って、しっかりと手を握りミッシェルと目を合わせる。
「大丈夫です。みんな応援してくれます」
「そう、だろうか……」