悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
四章 アメリア、推しのために頑張ります!
「兄上も、彼女に惚れているらしい」
翌日、アメリアはエリオットから話を聞いた。いつも通りストーキングスポットへ向かっていたら、近くで呼び止められたのだ。
手短に済ますつもりで、いったんすぐの部屋に入って立ち話となった。ここはティータイムで使用されるサロン側の休憩部屋の一つで、談笑用のテーブル席と休憩用のソファが置かれてある。
どうやら第一王子マティウスは、婚約を認めてくれる味方を増やすつもりでいるらしい。そうして、ミッシェルに想いを伝えたいのだ、と。
「そうですか。やっぱり、お二人の気持ちは同じなんですね」
一通り話を聞いたアメリアは、昨日の話し合いもあって尊さを覚えた。これで心置きなく今日で計画を固めて、実行に移していけそうだ。
もしうまくいけば、両者のタイミングが重なって〝告白イベント〟が起こるかもしれない。
想い合っている二人、なんて美しいんだろう。
想像してじーんっと感動した。美しき二人の恋模様だ。そして、ゲームにはなかった〝高貴なる令嬢〟のハッピーエンドまで見られるかもしれない。
「同じ、というとミッシェル嬢もそうだったのか」
「はい。ずっと好いていたそうです。それで、できれば次に参加するパーティーで想いを伝えたいと、昨日、色々と考えて――あ!」