悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
見守ってくれている各ファンクラブや、令嬢達。そして『白薔薇の会』の公爵令嬢ヴァレンティーナ達の方からも応援の声と、自分達が足を運んでいる場所での評判は上々だという嬉しい報告をもらっていた。

それを、王宮の紅茶休憩の場で、アメリアはミッシェルに教えた。

「『白薔薇の会』の彼女達も、こうして応援してくれているだなんて……。今度会ったら、感謝を伝えておかなければ」

「泣いて喜ぶと思いますよ」

その際にツンデレを発揮して、暴れなければいいが……アメリアは笑顔の下で、一瞬そんな不安がよぎったりした。

ここで、近衛騎士隊長のクラークが、ミッシェルへ切り出した。

「告白の舞台を選ぶなら、次の陛下達のパーティーが絶好のチャンスかと。そこで殿下と踊って頂き、思いを伝えれば多くの目にも留まります」

――実をいえば、第一王子マティウスもそれを目標にしているらしい。先日、アメリアとクラークは、エリオットからそんな知らせを受けていた。

どうやらミッシェル側の活動によって、マティウスの方もうまく動けているようなのだ。家臣の中から「一度、お見合いしてみてはどうか」という声も一部上がっているのだとか。

けれどミッシェルは、マティウスの本心は知らない。

「そう、か。……最初で最後の、告白だな」

彼女が緊張気味に呟く。

クラークは、生真面目な顔のまま「はい」と応えた。

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