悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
終章 まさかの〝運命〟がもう一つ
第一王子マティウスとミッシェルが婚約した。
発表の直後から、あらゆるところから二人を支持する声が贈られてきた。未来の国王と王妃の婚約であると、国を挙げての婚前祝いの開催も決定され、手続きや結婚準備のスケジュール立てなどで宰相達も忙しそうだ。
昨日、アメリアとクラークは、ようやく彼女の時間が取れて久々に紅茶休憩を一緒にした。
幸福いっぱいのミッシェルを前に、とても感激した。溢れんばかりに輝きを放つ芯の強さは、以前までの憂う表情を浮かべていた頃と全然違った。
マティウスの良き妻に、そして人々のために手助けもしていきたいと語る彼女は、希望に溢れていた。
これまでのミッシェルを見てきたアメリアは、その変化に感動して泣いた。クラークも眼鏡を外して、ハンカチを目に押し付けていた。
――〝推し〟の幸せそうな笑顔と様子は、一番のご褒美である。
今後も、彼女の幸せを見守っていく。そして必要であらば、一番の友人として手助けするのである!