悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「お前が侍女になったら、俺、会う時間がガツンと減って絶対、泣く」
隣から真っすぐ目を向けられたアメリアは、途端に残念感を漂わせた。
「お兄様の基準って、そこなんだ……」
すると、不意にぐりぐりとがさつに頭を撫でられた。
「なんですか、いきなり」
「最近、楽しそうだな~って思ってさ。いきなりの婚約で心配したけど、元々学もあるからすぐに妃教育もないみたいだし」
ニカッとロバートが笑う。そうやって笑っていると、顔も思い出せない前世の兄の存在と重なって、たびたび懐かしさが込み上げると気があった。
アメリアが、つい胸元をきゅっとしていると、男性給仕からグラスを受け取った彼が「あ」と声を上げて目を戻した。
「お前、最近ミッシェル嬢とよく話しているらしいな。それから、クラーク近衛騎士隊長ともよく一緒にいるという話を耳に挟んだんだけど、本当か?」
「はい。お二人とも、初めての友達ですわ」
「女性どころか、男性も寄せつけないでいる、あの近衛騎士隊長とも?」
「ミッシェル様と交流を取るようになった際、偶然彼とも出会いまして。意気投合したんですの」
それでもロバートは不思議そうだった。
詳細をぼかしているから当然だろう。しかし、アメリアは慌てなかった。こう言えば問題ないと、この兄ならば難しい説明不要の返しをした。
隣から真っすぐ目を向けられたアメリアは、途端に残念感を漂わせた。
「お兄様の基準って、そこなんだ……」
すると、不意にぐりぐりとがさつに頭を撫でられた。
「なんですか、いきなり」
「最近、楽しそうだな~って思ってさ。いきなりの婚約で心配したけど、元々学もあるからすぐに妃教育もないみたいだし」
ニカッとロバートが笑う。そうやって笑っていると、顔も思い出せない前世の兄の存在と重なって、たびたび懐かしさが込み上げると気があった。
アメリアが、つい胸元をきゅっとしていると、男性給仕からグラスを受け取った彼が「あ」と声を上げて目を戻した。
「お前、最近ミッシェル嬢とよく話しているらしいな。それから、クラーク近衛騎士隊長ともよく一緒にいるという話を耳に挟んだんだけど、本当か?」
「はい。お二人とも、初めての友達ですわ」
「女性どころか、男性も寄せつけないでいる、あの近衛騎士隊長とも?」
「ミッシェル様と交流を取るようになった際、偶然彼とも出会いまして。意気投合したんですの」
それでもロバートは不思議そうだった。
詳細をぼかしているから当然だろう。しかし、アメリアは慌てなかった。こう言えば問題ないと、この兄ならば難しい説明不要の返しをした。