悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「お前のことですから、ミッシェル様のことは全部、緊急を要する重要案件なのでしょうね」
「もちろんですよっ。それ以外に〝重要〟で〝緊急〟なことはありません!」
アメリアは、元気いっぱいに言い切った。
すっかり同志として心許している彼女の赤薔薇色の目は、兄や家族を見るような輝きでクラークを映している。
クラークが視線を動かして、ざわっとなった周りを見た。それから、自分よりも低い位置にあるアメリアの顔に目を戻す。
「集中するとそれしか見えなくなるタイプなのが、よく分かりました。今のところお前の重要部分には〝淑女らしさ〟と〝婚約〟も含まれます」
「なんで婚約?」
一つずつ教えるように言い聞かされたアメリアは、愛嬌のある表情で首を傾げる。まるで普通の女の子みたいな様子だ。
しかし、またしても周りが一層ざわめいていた。
「――そういえばお前、まだ十五歳でしたね。私よりも五歳年下であるのを忘れていました」
「数ヵ月もすれば十六歳になりますよ」
「いえ、精神年齢は恐らくそれ以下です」
前世の記憶がいくらか蘇っているアメリアは、思わず「それ以下!?」と叫んでしまった。
クラークは一つ理解した様子で頷き、ひとまず確認する。
「堂々と入ってこられましたが、今、周りにいるのは全員〝男〟なのですが」
「ああ、私は気にしないので大丈夫です」
「もちろんですよっ。それ以外に〝重要〟で〝緊急〟なことはありません!」
アメリアは、元気いっぱいに言い切った。
すっかり同志として心許している彼女の赤薔薇色の目は、兄や家族を見るような輝きでクラークを映している。
クラークが視線を動かして、ざわっとなった周りを見た。それから、自分よりも低い位置にあるアメリアの顔に目を戻す。
「集中するとそれしか見えなくなるタイプなのが、よく分かりました。今のところお前の重要部分には〝淑女らしさ〟と〝婚約〟も含まれます」
「なんで婚約?」
一つずつ教えるように言い聞かされたアメリアは、愛嬌のある表情で首を傾げる。まるで普通の女の子みたいな様子だ。
しかし、またしても周りが一層ざわめいていた。
「――そういえばお前、まだ十五歳でしたね。私よりも五歳年下であるのを忘れていました」
「数ヵ月もすれば十六歳になりますよ」
「いえ、精神年齢は恐らくそれ以下です」
前世の記憶がいくらか蘇っているアメリアは、思わず「それ以下!?」と叫んでしまった。
クラークは一つ理解した様子で頷き、ひとまず確認する。
「堂々と入ってこられましたが、今、周りにいるのは全員〝男〟なのですが」
「ああ、私は気にしないので大丈夫です」