天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
私の言葉にすぐに天界の者たちは動いた。
だが、いくら戦を終わらそうとしても魔帝は延輝を殺すまで殺戮をやめなかった。
死人が出るたびに私の心は痛み続ける。
そしてなにより天帝と天后は月影を殺すことを諦めずに常に狙った。
翼はみるみる内に白から黒く変わっていった。
「っ!」
「天女様!」
「月影…」
このままだと私は長くはない。身を守れるくらい月影を育てなければ…。
「月影…。自分の身を守れるくらいにならなくては…法術を極めなさい。たくさん書物を読んで練習して」
「はい。天女様」
「しかし…その力は隠さなくては…。決して争わず、善良でいるのよ」
「はい。言うとおりにしますから独りにしないでください…」
「いいこね。月影…」