天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「私は大丈夫だ。はやく天界へ戻れ。ここは危ない」
「いいえ。戦を終わらせるわ」
流れ矢にあたらないよう延輝が守ってくれる。
「っ」
「蓬莱!翼が!」
さすが戦場だ。黒く染まるのがはやい。
はやく戦を終わらせなければ。
「皆の者!!殺し合いは終わりです!戦を止めなさい!!」
蓬莱が一言発すると周りの者が一斉に攻撃をやめた。
「なぜこのようなことになったのです!力とは何かを守るために使うもの!天界の者も魔界の者も、皆、何を守るために戦っているのです!!」
そう訴える天女を見て皆は動揺した。
きっと己が何に対して戦を向けているのか、わかっていないのだ。
「魔界が戦を仕掛けたからだ!」
「そうだ!魔界から天界を守るためだ!」
「違う!天界が力を持ちすぎているからだ!」
「鬼神も天女も手にしている!凶器を手にしているからだ!」