天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


「私は大丈夫だ。はやく天界へ戻れ。ここは危ない」

「いいえ。戦を終わらせるわ」


流れ矢にあたらないよう延輝が守ってくれる。


「っ」

「蓬莱!翼が!」


さすが戦場だ。黒く染まるのがはやい。

はやく戦を終わらせなければ。


「皆の者!!殺し合いは終わりです!戦を止めなさい!!」


蓬莱が一言発すると周りの者が一斉に攻撃をやめた。


「なぜこのようなことになったのです!力とは何かを守るために使うもの!天界の者も魔界の者も、皆、何を守るために戦っているのです!!」


そう訴える天女を見て皆は動揺した。

きっと己が何に対して戦を向けているのか、わかっていないのだ。


「魔界が戦を仕掛けたからだ!」

「そうだ!魔界から天界を守るためだ!」

「違う!天界が力を持ちすぎているからだ!」

「鬼神も天女も手にしている!凶器を手にしているからだ!」



< 102 / 255 >

この作品をシェア

pagetop