天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「蓬莱。わかっているだろう。もうそなたには新しい命が宿っている。私たちの子供を守ってくれ!」
…知っていたのね延輝。
人間と違って子供が出来たことで見た目に変化はないはず。
延輝はそんな状態でも、気づいていた。
蓬莱を常に見ていたからだ。
それだけ鬼神にとって天女は大事な存在だった。
「愛している。蓬莱」
「延輝。私も愛しているわ」
黒炎が延輝を完璧に包もうとしていた。
「延輝!延輝!!」
「蓬莱!生きろ!行くんだ!!」
延輝は離れない天女を突き放し、蓬莱もその思いにこたえ涙を流しながら翼を動かした。