天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
羅刹がおずおずと近づいてきて姿を見せた。
このような森に独りでいてずっと寂しかったはずだ。
「あなたは人々の呪いから生まれた…でもその心は純粋だわ。姿形が重要ではないのよ」
「天女様…なんと慈悲深い…」
このような姿になりたくてなったわけではないはず…。皆が望みそれを羅刹が叶える…それでしかこの呪神は姿を保てないのだ。
「っ!」
「天女様!!」
魔帝の攻撃により翼は残り一枚を除いて完全に黒くなった。
「羅刹…お願いがあるの。どんな対価でも構わないわ。お腹の子を助けてほしいの」
「天女様の願いならば対価は必要ありません」