天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
何があったのか、あんな酷い傷を負って人間になって現れた白蘭。
この三年で白蘭の身体は私の薬でほとんど治っているはずだ。
何がそんなに起きるのを拒否しているのか。
だが、このままでも良いと思ってしまう自分もいた。
愛しい白蘭がどこにもいかず私の側にいる。目覚めれば魔界に帰ってしまうのだから今だけはこのままでも良いと思ってしまう。
一筋、白蘭の閉じられた瞳から涙が流れた。
きっと魔界で相当辛いことがあったのだろう。紅蓮も迎えにこず人間になる選択肢しかなかったのかもしれない。
魔界に帰りたくないなら私と共にここで過ごそう。
「白蘭。私のそばにいてくれ」