天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


そういうと羅刹は法術を使い私の体から子供を取り出した。


そして蘇生術をかけて子供を救ってくれた。


「天女様。可愛い女の子ですよ」


羅刹の腕から蓬莱の腕へ、子供が渡される。


延輝…私たちの子よ。


純白の翼をもった我が子が私を見て笑顔を見せた。


「…よく笑うところは延輝そっくりよ…」


この子ったら私よりも翼が白いわ…きっと美しく育つことでしょう。


でも…私はもう側にいられそうにないわ。


「天女様…」


終りゆく私の命に羅刹が悲しい声をあげた。


はやくこの子を魔界から出さなければ魔気病になってしまう。



< 110 / 255 >

この作品をシェア

pagetop