天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


「うぅっ!」


動こうとするも、すでに限界を超えているようだ。ひどく身体が痛んだ。


「天女様!動かないでっ。もうすぐに来るから」


来る?何が?誰が…?


そう思った時、一羽の八咫烏が空から舞い降りてきた。


「天女様っ!!」

「あなたは…」


その八咫烏は羅刹の姿に驚きながらも人の姿を取った。


「魔宮で助けてもらった伝達鳥の八咫烏です!」

「あの時の…」


あの時の八咫烏だ。きっと羅刹が導いてくれたんだわ。



「天女様!私に恩返しをさせてくださいっ」



本当は巻き込みたくはない。だが、今となっては頼るしかない。


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