天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
延輝を想った。
本当は二人で決めたかった。たくさん話し合って何個も候補をだして何度も話し合いたかった。
延輝の姿が目に焼き付いている。
初めて会った日のこと言葉を覚えたこと…姿に似つかず花が好きだったわね。
もうあの宮の庭は鈴蘭で埋め尽くされている。
毎日毎日、一生懸命作業していたわ。そんな姿を見るのがすごく好きだった。
あの鈴蘭のように、この子にも手を尽くしてほしかった。
「…蘭…」
いいえ…純白の翼のこの子の名前は。
「白蘭よ。この子の名前は白蘭」
「とてもいい名前です。天女様。命に代えてもお守りします」