天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
共に過ごせない母を許して…。
ずっと一緒にいられると思っていた、延輝と私と白蘭で…。
だが、それは叶わない。
一筋涙が流れた。
最後に我が子を見て蓬莱は言った。
「春花!お願い!行くのよっ。この子を守って!」
「はいっ。任せてください」
春花も涙しながら力強く答えた。そして白蘭をしっかりと抱き森を去っていった。
「…」
「天女様…」
「羅刹…ありがとう。白蘭を助けてくれて…」
「いいえ…天女様」
「羅刹…白蘭の事は誰にも話さないで、争いに巻き込みたくないの」
「言わないと誓います。天女様」
「延輝…今からそっちに行くわ」
その言葉を最後に天女は天界・魔界の花々と共に消えた。後には白蘭の天空石が残り羅刹が独り涙を流した。