天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


「紅蓮様、大丈夫ですか?…お茶をどうぞ」

「…ああ」


そして月影の想い人は天界の者ではなかった。


冷静に考えてみればわかることだった。


二人は人間界での面識があり月影はそんな彼女に想いを寄せた。


あの新月の夜に月影がすぐに天界に帰ったことも、そういうことだ。


私は知らぬうちに愛する人も親友でさえも傷つけたのだな…。


そして白蘭は天女の子だった。


あの魔帝が八咫烏一族に執拗に白蘭の出身を聞いたのも、虹彩樹の庭に入れたのもいまさら魔気病になったのも天女だからだ。


魔界では天女は暮らせない。


それに月影と白蘭はこれで許婚となったのだ。




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