天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
突然、家から白蘭が出てきてこちらに向かってきた。
紅蓮はそんな姿を見て慌てて木の陰に隠れた。
「紅蓮!いるんでしょう!?こんな夜中にどうしたの?」
「…」
会わない方がいい。
「紅蓮!雨が降っているのよ?どこにいるの?」
必死に探す白蘭の声を無視するも、あきらめる気配がない。
人間の身でありながら雨の中、自分を探す白蘭。
しばらくして、白蘭が一回くしゃみをしたところで紅蓮が折れた。
「…」
「紅蓮!やっぱりいた!」
姿を見せると、嬉しそうに駆け寄ってくる。