天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
何か言いたげだったが紅蓮は黙ってしまった。
「紅蓮?」
「…会わない方がいい」
「え?」
そういうと、おもむろに紅蓮が立ち上がって家を出ようとする。
それを白蘭は後ろから腕を回して引き留めた。
ここで放してしまったら、もう二度と紅蓮には会えない気がする。
「…白蘭」
「行かないでっ。会わない方がいいって何よ!勝手に現れて勝手に去って、私の気持ちも知らないで身勝手すぎよ!!」
会えないときほど紅蓮が気になって。
でも紅蓮には亡くなった奥さんがいて、私には月影がいる。
それでいいと思ったのに。
川辺に行って紅蓮を待ったり、紅蓮の言葉に一喜一憂してしまう。