天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


「理由も言わないで去るなんて許さないんだから!私の前から去らないと約束するまで放さないんだから!」

「…」


しばらく紅蓮は黙っていた。


「白蘭、風邪をひく。着替えろ」

「約束するまで放さないもん」


頑なにそういう白蘭に紅蓮がやっと折れた。


「…わかった。約束しよう。白蘭が去れと言うまでは去らない」


その言葉を聞いて白蘭は喜んで放した。


「白蘭…体が冷たいぞ。はやく着替えろ」

「そうね」


去らないと約束してからは紅蓮の言葉が親しげになった気がする。


私は新しい衣を取ると腰紐に手をかけ、辞めた。


「ちょっと…ずっと見てる気?」

「あぁ…そうか。そうだな」


紅蓮が見てるのを注意すると、とぼけたような顔をした後やっと後ろを向いた。


何がそうかよ。女の体なんて見慣れてるってわけ?



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