天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


引っ張っていると突然、帯が解け体制を崩した白蘭を紅蓮が受け止める。


同時に白蘭が掴んだ紅蓮の衣が、はらりと落ち彼の上半身を露にした。


程よく鍛え上げられた体にしなやかな黒髪が落ち、瞳には白蘭が映る。


突然の事に白蘭は顔を赤くした。


「まったく…危ないだろう。どうした?顔が赤いぞ」


何事もないような余裕な顔で言う紅蓮。


「雨に濡れたから熱があるんじゃっ…」

「熱なんかないから!」


熱を測ろうと、おでこをくっつけてくる紅蓮から慌てて逃れる。


紅蓮の裸体を見ないよう顔を背けながら月影の衣を押し付ける。


「ほらっ!はやく着替えて!衣、乾かすから」

「あぁ」



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