天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~



朝起きると紅蓮の姿はなく、月影の衣と引き換えに黒服がなくなっていた。


やられた…去らないって言ったのに逃げたわね。


腹を立てていた白蘭だったが、すぐに機嫌が直った。


「白蘭。起きたか」

「紅蓮!」


外から戻った紅蓮が家の中に入ってきた。


「逃げたのかと思ったわ」

「私はそんなに信用ならない男か?」


ふっと笑う紅蓮。


昨日の思いつめた顔でなくて良かったわ。


「晴れていたので、周辺を散策していた。人間界にはまだ慣れなくてな」


そうだわ。月影は天界の人で、紅蓮は魔界の人なんだっけ?


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