天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「文句言ったでしょ」
「言ってない」
「言ってた」
「…言ってない」
「もうっ。魔界の妖怪がこんなに大人げないだなんて」
「妖怪だと!?」
妖怪という言葉に紅蓮が眉を吊り上げた。
「魔界って妖怪がいるんじゃないの?紅蓮はなんの妖怪よ!なまけ妖怪なんじゃないの?」
「はあ…いいか?魔界に妖怪はいない。妖怪は人間が作り出した空想の生き物だろう」
「じゃあ人間と魔界の人は何が違うの?紅蓮はどういう存在よ」
「天界と魔界には仙女や神達等が暮らしている。」
神様!?
「神達は鳥や獣を真の姿に持つ。そなたも魔界にかつて住んでいたんだぞ」
「じゃあ私の真の姿は?」
「八咫烏だ」
八咫烏…?神聖な生き物だと期待したのに、烏だなんて。