天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「人間も見る目があるな。実際に私は魔界の皇太子だからな」
「はあ?」
「なんだ?」
「嘘だあー!」
「嘘ではない」
天界だの魔界だのは、いいとして皇太子はさすがに無理があるでしょ。
私をからかっているんだわ。
「寝言は寝て言いなさいよ」
「ねっ寝言だと?」
「じゃあ魔界の皇太子が人間界で草摘んでいるわけ?」
「…そうだ」
真面目な顔の紅蓮に吹き出す。
「なぜ笑う」
「わかったわかった。じゃあ皇太子様〜。薬草探しましょうね〜」
「…」