天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


白蘭が死んで紅蓮様が放心状態にあるとき、ここぞとばかりに勝手に婚儀をあげ正室の座についた女が玲心だ。


前々から残虐さは有名であったが紅蓮が虹彩樹の庭から出てきてからは余計にその残虐さは増す一方だ。なんという女だろう。


「朱雀…なぜ私に礼をしない?」


礼をしない朱雀に玲心は言った。


皇太子の正室ということは次期魔后になるのは当然だが、こんな女が魔后にでもなれば魔宮中が血の海になりかねない。


「私の主は紅蓮様ただ一人なので」

「ほう…では妻である私には指図するなと?」


よくもそのようなことを!


妻という言葉に朱雀は拳を握りしめた。


「主はあなたのことを妻と認めなかったので、私も認めていません」

「何をっ」


突然、熱風とともに怒りに任せて玲心が火炎術を放ってくる。


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