天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「礼がなっていなかったので、躾けただけです」
玲心は、ぶっきらぼうにそう答えた。
下手に雪梨を傷つければ自分の立場が危ういと悟ったのだろう。
「では最近魔宮の鳥族の侍女との関係は?無辜の者を殺したのですか」
「それは…」
「紅蓮様の正室とはいえ度を超せばどうなるか…聡明な玲心様ならわかりますね」
「…ふんっ」
雪梨に言われ玲心は鼻をならして去っていった。
「朱雀。香林、大丈夫ですか?」
「はい。侍女長様。助かりました」
「正室になった玲心様は今まで以上に危険です。特に朱雀は注意するように」
今ので、きっと玲心の怒りを買ったであろう朱雀に雪梨は声をかけた。