天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「大丈夫だ。私が一つ一つ教えよう」
それからというもの月影は私に対して果てしなく優しかった。
月影の話によると、私の名前は白蘭で魔界で暮らしていたが突然大怪我と共に人間界で人間になっていたこと。
対する月影は天界で暮らしているが色々あって今は人間界にいること。
私とは人間界で出会い仲良くなったことを教えてくれた。
「三年も私寝ていたの…?」
「そうだ。酷い傷だった。何があったのかわかるか?」
「…いいえ」
「そうか。時間はたくさんある。まずは歩く練習から始めよう」
歩く練習?歩くくらい一人で出来るわ。
そう思い一歩踏み出すも、足に力が入らず倒れそうになる。
「三年も寝ていたのだ。体力が落ちている。ゆっくり足を踏み出して」
月影が私の両手をしっかり握り支えてくれる。やっとの思いで外に出ると太陽のまぶしさに目がくらんだ。
家の周りを囲んでいる桜が綺麗だった。