天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
主である紅蓮の居場所はすぐにわかった。
白蘭だ!!
何年ぶりに見る白蘭は相変わらず楽し気に笑っていた。隣には紅蓮の姿があった。二人に気づかれないように離れて見守る。
「紅蓮!今日は卵を買って帰ろう」
「そうだな」
「料理教えてあげるわ!」
「私に料理をしろと?」
「働かないなら追い出すわよ」
「…料理する」
白蘭を亡くしてから紅蓮は魔界で笑わなくなった。
そんな主が人間界で白蘭には笑顔を向けていた。
朱雀はその様子を見て安心した。
少しずつ立ち直っているのだ。今の状況を皆、少しずつ乗り越えている。
朱雀は二人の様子を微笑みながら見守ると再び調査をするために魔界へと帰っていった。