天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
月影は一筋の涙を拭うと冷たく聞いた。
「白豹族は?」
「…今夜会えるそうです」
「そうか…下がれ」
「はい…」
兎はうなだれながら言うとおりにした。
月影は一息つくと計画を練り直した。
近いうちに謀反を起こす。
第一の協力者は白豹族。そのうち白豹族の長は天界の戦神だ。
かつて月影の母の白蛇族を主にしていたため謀反で処刑された白蛇族を最後まで無実だと訴えていた。
通常であれば一族皆殺しに処されるが、その法術の高さと一族の数の多さ、そして何より白豹族を慕うものの多さから天帝と天后も下手に手出しできなかった。