天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


そのため白豹族は天宮を追放されただけに留まった。


そんな白豹族に月影は賭けた。かつて白蛇族と主従関係にあった彼らならば力になるはずだと。


文には話を聞く気があるのなら私の宮に来るように書いた。


追放された天宮に来るのは命懸けだ。そして白豹族の長は今夜ここに来る。


感情の整理をし計画を練り直しているうちにすぐに夜になった。


宮の外に気配を感じ月影は声をかけた。



「入れ」


入室を許可すると同時に入ってきたのは白豹族の長・一心(いっしん)と息子の気鋭(きえい)だった。


「「月影様にご挨拶申し上げます」」

「立つがいい」


二人の礼を受け、顔を見る。



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