天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


鋭く光る瞳からは意志の強さを感じた。


「白豹族の長・一心と息子の気鋭で間違いないな」

「はい。二千年もの間、月影様をお助けできず申し訳ございません」


白豹族も天帝には逆らえない。きっと一心も一族の長として相当迷い、今夜決心してきてくれたのだろう。


「…よい。白豹族は今はどこに?」

「天界の外れにある霊山にいます」

「そうか」


かつて天宮で戦神一族と呼ばれ威光を放っていたのに、遠く離れた山に住んでいるとは…。


「私の方こそ謝るべきだ。天界での立場の弱さから力及ばず白豹族を呼び寄せることもできない。」

「とんでもございません!二千年の間があるとはいえこうして再会できたのですから」




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