天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
そして月影は今までの出来事と記憶水晶の間で見たものを一心と気鋭に聞かせた。
二人は驚愕した顔で話を聞いた。
「天帝と天后は白蛇族だけでなく天女様までも殺したと…なんということだ」
「いままで私は記憶を封じられ天界で蔑まれても仕方がないと…善良で静かに過ごせればよいと思っていた」
まだ何も知らない頃が懐かしい。
「だが、奴らは違う。私が真実を知ったとなれば容赦なく殺しに来るだろう」
「そんなっ」
「無論、黙って殺されるわけにはいかない。いままで白蛇族だけでなく無実の者がどれだけ殺されたことか…」
思えば不審な死は数えきれないほどあった。
今の天界の重臣達は皆、天帝と天后に都合のいい従順な者ばかりだ。
「あの者たちをこれ以上野放しにはできない…私が次の天帝になる」