天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「っ!?月影様。それは謀反を起こすということですか!?」
「そうだ」
「謀反は大罪です!」
「では、どうしろと?奴らの罪を知りながら黙って従えと?今まで同様無罪の者が残虐に殺され、犠牲がでるのをただ傍観していろというのか?」
「それは…」
「一心。そなたは白豹族の長だ。一族を巻き込みたくない気持ちはわかる。それに白蛇族の血筋は今は私一人だ、かつての主従関係を理由に何百という白豹族を犠牲には出来ない。協力したくなければこのまま黙って去るがいい」
謀反は大罪だ。
もし失敗すれば月影だけでなく関わった者は死罪は免れず惨く殺される。
白豹族の長・一心はしばし息子の気鋭を眺めた。家族を案じているのだろう。
しかし息子の気鋭が頷くのを見て決心したようだった。
「月影様。白豹族は月影様に従います。かつて白蛇族に助けてもらった恩と主従関係は最後の一人になろうとも永遠不滅です。」
その言葉を聞き月影はニコリと笑った。
「よく判断してくれた。感謝する」