天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
次の日から紅蓮は酒屋に働きにでた。
皇太子だという彼が働けるのか心配で一度酒屋を覗きにいったが、心配する必要はないみたいだ。
紅蓮は覚えが早く力もある、男三人がかりで持ち上げる物も一人で軽々と持つようだ。
「ねえ。白蘭。酒屋の紅蓮って人ってまさかあなたの家の人?」
木蓮さんと食事処で一緒に食べていると、そんなことを聞かれた。
「そうだけど…」
「大変よ?街の女子の中でいま人気急上昇よ!」
「ええ?」
力仕事だから表立って目立つわけでもないのに、そんなに話題になっているとは…。
「人並外れた力と容姿。左目の仮面がまたミステリアスってことで噂になっているわ。さすがの白蘭も焦るんじゃない?」
ニヤニヤと笑う木蓮さん。
「べっ別に焦ったりしないわよ…」