天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


でも紅蓮と出会ってしまったのだ。


紅蓮に月影との婚姻の話をされるたびに現実に戻り悲しくなる。


そういえば月影の事を好いているのか紅蓮に聞かれたことがあった。


あの時はまだ自分の気持ちがわからなかったが、木蓮さんに言われるとハッキリと自覚することができた。


私は紅蓮のことが好きなのだ。


初めて会った時、名前を呼ばれ抱きしめられた。


紅蓮の笑う顔が美しいと思った。


私のことを密かに守ってくれていたときは嬉しいと思った。


皇太子だと言いながら薬草を摘む姿を可愛いと思った。


まだ出会って半年も経っていないのに月影との思い出よりも鮮明に思い出せる。そのたびに愛しさが溢れてくる。


だが、紅蓮には別の想い人がいる。それに私の事はハッキリと友だと口にしたのだ。


白蘭は色々と考えながら帰路についた。


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