天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
だがこの酒とおさらばするのは少々勿体ない。人間界の酒もそんなに悪くはないのだ。
休憩になり男たちと酒を酌み交わしていたある日ふと白蘭の話がでた。
「ところで薬売りの白蘭って知っているか?」
「ああ。あの美しい女子だろう。記憶がないんだとか」
「記憶はないが薬の知識もあるし、あの容姿でまだ嫁いでいないらしいぞ」
「どこぞの貴族が求婚しようとしているらしいが食事処の木蓮が止めているらしいぞ」
白蘭はそのように思われているのか…。
それにしても木蓮は良い判断だ。今度、酒をもっていこう。
紅蓮がじっと男たちを見つめる。
「どうした紅蓮。そういえばお前と白蘭は親しいよな?どういう関係だ?」
「記憶をなくす前からの友で白蘭の護衛のような者だ」
言うと皆は納得したように頷く。
「じゃあ、白蘭に聞いてくれよ。俺に嫁ぐ気はあるかって」
「俺も聞いてくれ」
顔を赤くしながら言う同僚。そして続け様に他の男も声をあげた。