天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「…白蘭にはすでに許婚がいるぞ」
一睨みしてから答えると男は肩を落とした。
「だよなあ」
「俺なんか相手にされないか…仕方ない。木蓮に誰か見つけてもらおう…」
その後も仕事をこなし、今日は酒を買って帰った。
白蘭が酒好きと言ったからだ。
確かに後宮入りした日の宴では二日酔いになるほど飲んでいたが、人間界でもそうだとは知らなかった。
家に入ると食事を作っていた白蘭が顔をあげ笑った。
「おかえりなさい。紅蓮」
「あぁ」
白蘭のまぶしい笑顔を向けられ自然と紅蓮も笑顔になった。
そうだ。この笑顔を守るためなら私は何でも出来るのだ。