天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~


「そうだろう。私も人間界の酒は悪くないと思った」

「それじゃ…魔界にはもっといいお酒があるってこと?」

「そうだ。酒神がつくる酒は特に絶品だ。今度もってこよう!」


よく新月の夜には酒神が作った酒を月影と酌み交わした。

懐かしい。

それから今日あったことを報告しあった。

白蘭は私が仕事に出るようになってからは食事処の木蓮とよく昼を一緒にとるようだ。


「そうだ。いつも世話になっている木蓮にも今度酒を送るとしよう」

「木蓮さんは酒豪だから酒瓶一つじゃ足りないわよ?持っていくなら一甕もっていかなきゃ」

「では、その酒豪に買った白蘭には二甕必要か?はたして私の給金で買えるだろうか」

「まったく…」


冗談交じりに話すと白蘭は鼻をならして笑った。


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