天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
「はいはい」
大人しく白蘭の言う通り隣に座ると突然指で額をはじいてきた。
「痛い。白蘭」
「いい!?妓楼の護衛なんて絶対やっちゃ駄目なんだから!あんなところ綺麗な人しかいないんだから絶対行っちゃ駄目!」
「わかった」
白蘭の赤くなった鼻をつつき紅蓮は話をきいた。
「それと歌舞伎茶屋での剣舞も絶対駄目!」
「なぜだ?綺麗な女はそういないぞ?」
「あんなところで剣舞なんてやったら、人気者になるじゃないっ!絶対駄目!」
「わかったわかった」
もう一度、鼻をつつき紅蓮は笑いながら了承した。
「あとは…」
「まだ言い足りないのか?ん?」
「あとは他の女子に告白されても絶対に了承したら駄目!これだけは何があっても駄目なんだから!約束して!」
「ああ。喜んで約束しよう」
どれをとっても嫉妬にしか聞こえない白蘭の話は可愛く、いくらでも聞いてられる。
外では飲ませられないが家で飲ませる分にはいいかもしれないと紅蓮は思った。