天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
二人の声に気づいたのか膝に乗っていた氷輪が目を開けて伸びをし机にあった果物をつまんだ。
自由な狐ね。
「白蘭、それは…」
「なぜ、お前がここにいる!?」
目が合った紅蓮と氷輪は互いに驚いた顔をした。氷輪に至っては紅蓮を知っているようで怒ったように毛を逆立てた。
「知り合い?」
「魔界の鳥が!成敗してくれる!」
飛びかかろうとする狐を白蘭は慌てて止めた。
「白蘭放せ!」
「ちょっとどうしたのよ?紅蓮説明して?」
「あー…簡単に言うと氷輪と私は犬猿の仲だ。」
身をよじる氷輪に代わり紅蓮に説明を求めるとそう答えた。
過去に何があったのかは知らないけど、ここで暴れられては困るわ。
「氷輪!いい加減にしなさい!じゃないと私あなたのこと嫌いになるから!話も聞いてあげないわよ!?」
言うと氷輪は暴れるのをやめた。