天空の姫Ⅱ ~二人の皇子に愛された娘~
紅蓮は呆れたように氷輪を見てから視線を白蘭に移した。
「なぜここに?言うことを聞くなんて相当好かれているな」
「遊びにきたのよ。ね?氷輪」
聞くも氷輪は拗ねてしまい鼻を鳴らすだけだった。
それをいいことに紅蓮は笑った。
「天界はずいぶん暇なようだな。少しは政務でも行ったらどうだ?天界の馬鹿狐!」
「何をっ!?」
「ちょっと!紅蓮も挑発しないの!大人げないわよっ」
今度は紅蓮が拗ねて鼻を鳴らした。
何なんだろう。今日はとことんついていないわ。
「帰る!」
「ああ。さっさと帰れ」
「うるさい!お前には言っていない!この魔界の鳥が!また来るからな!白蘭!」
そうして氷輪は天界に帰ってしまった。
犬猿の仲なのはわかるけど…本当に大人げないんだから。
白蘭が紅蓮を睨むと居心地が悪くなった紅蓮が目を逸らした。